【韓国映画】優しい嘘 いじめ題材学校作品

韓国映画
アイキャッチ画像出典:https://www.hulu.jp/thread-of-lies

優しい嘘 概要

題名:優しい嘘 우아한 거짓말/Thread of Lies
制作:2014年
原作:キム・リョリョン 
小説「優しい嘘」「우아한 거짓말」2009年
上映日:2015年06月01日  
上映時間:117分
監督イ・ハン『ワンドゥギ』
脚本イ・スギョン
撮影イ・スンヒョプ
照明チャン・テヒョン
音楽イ・ジェジン

あらすじ・ストーリー

誰よりも純粋で優しい妹が自殺した。家族には何も言わず突然に…。

9年前に夫を亡くし、女手ひとつでふたりの娘たちを育ててきた母親ヒョンスク(キム・ヒエ)。いつもクールで家族にも愛想のない長女マンジ(コ・アソン)。そんな母と姉にいつも優しく接し、家族の中でいちばん明るく気立てのいい末っ子の中学生チョンジ(キム・ヒャンギ)。
その誰よりも純粋で優しかった妹が、ある日突然自殺した…。家族に何の言葉も遺さず逝ってしまった妹の死の真相をどうしても知りたい姉のマンジは、学校での様子や友人との交友関係など生前のチョンジの行動を追いかけるようになる。彼女がいじめを受けていたこと、家族には知らされていなかった話など、チョンジの死に隠された真実が次々と明らかになっていく。彼女は家族に心配をかけたくないがために自分の本心を隠し、ずっと嘘をついていたのだった。何の言葉もなくこの世を去った妹は、どうして家族にまで嘘をついていたのか?その理由は彼女いつも持ち歩いていた赤い毛糸玉の中に残されたメッセージに記されていた――

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キャスト

ヒョンスク 役キム・ヒエ「密会」 『セシボン』
マンジとチョンジの母
スーパーで働きながらシングルとして家庭を支える
マンジ 役コ・アソン 『グエムル-漢江の怪物-』
チョンジ姉 妹が自殺した真相を知るため行動する
ファヨン 役キム・ユジョン「太陽を抱く月」
いじめ主犯 
チョンジ 役キム・ヒャンギ『私のオオカミ少年』
いじめを苦に自殺 編み物が好きな優しい中学生
チュ・サンバク 役ユ・アイン 『ワンドゥギ』
長髪公務員浪人生  図書館でチョンジと知り合う 隣人
カク・マノ 役ソン・ドンイル『怪しい彼女』
友達のアル中父親 ヒョンスクの元交際相手
ミラン 役チョン・ウヒ
『ハン・ゴンジュ 17歳の涙』
マンジの親友 カクマノの長女
出典http://www.kyeonggi.com/news/articleView.html?idxno=744693

ポン・ジュノ作品でお馴染み コ・アソン

コ・アソン(右から3人目)ポン・ジュノ作品『スノーピアサー』『グエムル-漢江の怪物-』出演、ドラマ韓国版ドラゴン桜にも出演。ドラマより映画でヒット作出演しています。

天才子役 キム・ユジョンとキム・ヒャンギ

キム・ユジョンちゃんは(右から4人目)韓国で天才子役として活躍してきました。「トンイ」「太陽を抱く月」出演、現在は子役から脱皮「雲の描いた月明かり」大ヒット!もう大人の俳優さんです。

キム・ヒャンギさん子役として数々の重たい役を演じてきています。
デビュー作:「マウミ」代表作:ドラマ「女王の教室」映画「無垢なる証人」最近ではチャウヌと共演した「僕たちの復讐ノート」ヒロインです。
漢陽(ハニャン)大学・演劇映画学科在学中で現在は学業専念中。復帰が待ち遠しい。

唯一の若い男性登場人物 ユ・アイン

ユ・アイン氏(写真右端)韓国若手演技派俳優
ドラマ「トキメキ☆成均館スキャンダル」映画「ベテラン」
長髪でミステリアスな公務員浪人生として登場。チョンジ亡くなってから引っ越してくるポヨン楼の隣に住む謎多き青年。実はチョンジとも悩みを打ち明ける仲。

みどころポイント

・演技が上手すぎる俳優陣
・なぜチョンジは自殺したのか?
・メッセージに遺した思いとは?
・”いじめ”加害者と被害者家族を描く
・自殺に至るまでの伏線がサスペンス仕立て

演技受賞作品

第50回百想芸術大賞:女性新人演技賞 キムヒャンギ

私の感想レビュー (ネタバレ含む)

出典https://eiga.com/movie/82073/
感想レビュー

・なぜチョンジは自殺したのか?
ストーリーの軸として「なぜ?」なのか視聴者も一緒に考えさせるような演出展開になっています。
MD3プレイヤーをねだった→ファヨンと誕生日交換するときにあげるため
母に赤い毛糸の帽子をねだった→毛糸にメッセージを遺した

チョンジが生きていたときの思い出、回想と事実確認
姉は思春期真っ盛り、妹がいじめられている事実なんて知らなかった。間接的にお姉ちゃんにいじめの相談をしていたことに気づき号泣。泣けるシーン。気づくことができなくて後悔、姉の記憶とともに真相を知りたいため行動に出た。私は妹なので妹目線で見ましたが、妹の「心配かけたくない」という心理もあると思います。
姉妹でも性格はバラバラ。姉のように大雑把で友達も多いタイプや妹のように物静かなタイプも。この年代は自分のことで精一杯。韓国の学歴とお金と容姿の社会背景が関係。

ファヨンの悪事、いじめの数々
親友の姉にいきなりトンカツねだるか?お姉ちゃん怪しめよ(笑)
体操服の不良女とは仲がいい?の嘘
誕生日会の時間を1時間遅らせて伝える
クラスチャットにチョンジ入れず仲間外れ
あだ名は「財布」
小学生の頃から外から見て仲のいい友達のふりして実は”いじめ”、周りの人には「いい子ちゃん」に見えて中身真っ黒。口と頭だけ達者で性格糞な中身のない人間。今まで上手く生きてきた得する人間。やはりその母親も糞だった。

ファヨンいじめ、黙認の大人
ファヨン入れたい塾からいじめっ子は入れないと拒否
担任からファヨンとチョンジを引き離した方がいいと電話あり、チョンジ母がファヨン母に話に行くが大人がでる幕ではないと。
ファヨン母は実子がいじめしていることを止めなかった。しかし実子を守ることはする糞母。ヒョンスクはチョンジを守れなかった。韓国の教師は”いじめ”に対してあまり介入しないのでじょうか?蚊帳の外、先生の仕事ではないような演出でした。

母の復讐
ポヨン楼に引っ越してきた理由:毎日顔をあわせるため
MD3プレーヤーをファヨン母に渡す:あなたの娘が私の子を殺した

つもりに積もった伏線
ヒョンスク元交際相手ヒモの父親登場(チョンジは知らなかった)。チョンジと実は仲がよかったけど父親がチョンジ母と恋愛中と知り一方的に嫌悪状態に。心許せる友達を母交際の事実で失ってしまった背景。そりゃ友達としても気まずいけれど、本当の友達なら打ち解けれたはず。

ユ・アインが長髪の理由:子供の頃火傷にあいいじめられていたから。あだ名「怪物」学校も辞める。図書館ではチョンジ「うつを治す方法」の本を読んでいた。

ミラ(ミランの妹)(チョンジの唯一のクラス友達)が「(ファヨンは)誰かが死なないと目が覚めない子よ」。この言葉が自殺してしまう決定打になってしまったと思います。

加害者が次は被害者になる
クラス全員がチョンジいじめ加害者と言えるが、亡くなってからはすべてをファヨンのせいにする。ファヨンの反省も見えず仲間外れに。チョンジの「誰かをいじめないと友達ができないと思っている」言葉が刺さる。
追い詰められたファヨンを「妹のせいで」にさせたくないから結局は「ファヨンを守る」選択をした姉。「赦す」ということが深い。

チョンジの最後の反論
学校授業の発表でチョンジはファヨンに対して「殺人者予備軍」と怒る
「誰かをいじめないと友達ができないと思っている」

遺書ではない遺されたメッセージ

 あんたが本当に憎い
 だけど赦してあげる。私が逝ってもあんたは生きるのだから
 もう二度とあんなことがないように。もうあんたも苦しまないように。
 5個の封印された糸玉の中の3番目

5つ目のメッセージ内容は原作には書かれていないそうですが、映画では図書館のあの「うつを治す方法」の本に遺す「ありがとう。乗り越えてくれて。と。

動画視聴情報

まとめ

優しい嘘 まとめ
  • ・”いじめ”題材ですが、泣かせにくる内容じゃなく「考えさせる」内容。
  • ・加害者と被害者、その周囲の人たちを描く。
  • ・遺書ではなく数行のメッセージとして遺した理由。
  • ・学校ではあるが先生はあまり関与してこない(韓国特有)
  • ・小中高で道徳教材としてもおすすめ(教科書よりも映像で見せた方が分かりやすい)
  • ・女子特有の”いじめ”の演出

この作品は美化しているように見えて社会の根底に疑問を投げかけているような内容。犠牲心でもない、嘘というのは生きていくうえで必要、「赦す」ということ、私の語彙力では表現できない。

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